Victor Aviation社について

Victor Aviation社について

VICTOR  AVIATION SERVICE  INC.

ビクター・アビエーション社は、航空機エンジン・オーバーホール業界No.1の企業で、米国カリフォルニア州パロアルトに本社を構え、米国を中心に世界70カ所以上に提携センターを構えています。長年にわたり独自のエンジン調整技術を開発しつつ、それらの工程にはFAA (米国連邦航空局)の認可を受けながら世界各地に提携企業を増やして、今日国際的ブランドとして認められるようになりました。

ビクターアビエーション・ブランドの製品・サービスは、“Power-By-Victor”のロゴと共にNASAやボーイング社等を含む宇宙航空業界のみならず、フォーチュン誌500社ランキングに名を連ねる大企業へも提供されています。そして、曲技飛行の有名パイロットや数多くの航空機使用事業会社、個人の航空機オーナーが“Power-By-Victor”の熱烈な支持者となっています。ビクター・アビエーション社の創業者であるVictor Sloan氏は元オートバイレーサーで、エンジンのチューンアップのオーソリティーでもありました。彼は、レースの技術を航空エンジンに転用したのです。今日ビクター・アビエーション社のプロフェッショナル・チームは最高レベルの技術者のみで構成され、一貫してそのブランド名にふさわしい、一分の隙もない完璧な品質の技術を提供し続けています。

“Power-By-Victor”のエンジン・オーバーホール・サービスが成功した背景には、いくつかの明確な理由があります。
第一に、製品の品質が極めて高いことです。これは、逆に言えば、基本設計の古い航空ピストンエンジンの性能と品質が、現代の工業レベルから見るとあまり高くなかったことでもあります。一般的に航空エンジンの場合、タイムアップするまでに交換しなくてはならなくなる部品点数も少なくありません。このため、高精度の調整を施すことにより、劇的な性能と品質の向上が実現できるだけでなく、耐久性が向上したエンジンは整備費用の圧縮を可能にしました。
第二に、ビクター・アビエーション社の経営陣が高度な技術者で構成されていることです。このことが、業界随一の技術開発力の確保とノウハウの蓄積を可能にし、さらに種々の許認可の作業においては、FAA(米国連邦航空局)からの厚い信頼を得ることにつながりました。特に同社の非破壊検査の技術は高い評価を受け、今では航空業界の枠を超えてあらゆる業界からの技術支援要請を受けるようになっています。
第三に、高品質なオーバーホール・エンジンが、機体の価値を引き上げるという、副次的な経済効果を生んだことです。Power-By-Victor”のエンジンを搭載した中古機には、通常よりも高い査定額が設定されます。このため、“Power-By-Victor”への初期投資はかなりの部分が取り戻せるとの認識が広まり、ブラック・エディションがヒットしました。タイムアップまで使用した場合は、品質向上による整備費用の削減分で、タイムアップ前に機体を転売する場合には、それまでの整備費用節減分と転売時の査定の増額分によって、ある程度の投資回収が期待できるというわけです。

この度、私どもアエロセンシング株式会社は、茨城県のつくばヘリポートにある、つくば航空株式会社様と協力して、“Power-By-Victor”のオーバーホール・サービスを日本の皆様にご紹介することとなりました。日本市場へは、4種類の航空ピストンエンジンのオーバーホール・プラン、およびエンジン交換サービス(エクスチェンジ)をご提案いたします。エンジン・オーバーホールには、投入する技術と工程のレベルにより、段階的に下記の4種類のプランがあります。ライカミング、コンチネンタルのどちらの航空エンジンもオーバーホールさせて頂きます。

Power-By-Victorの4つのプラン

“Power-By-Victor” アビエーター・シリーズには、標準的なメーカー仕様に適合した工程に、ビクター・アビエーション社独自の精密な施工を組み合わせた技術が投入されています。このアビエーター・シリーズのオーバホール・プランには、お客様のご希望に応じて、“Power-By-Victor” ブラック・エディションV以上の上級モデルに施工される特別工程を、有料オプションとして個別に追加することもできます。

アビエーター・シリーズは、リーズナブルな価格で安全性の向上と信頼性の強化が実現され、最大の航続時間が得られる点が特徴です。このプランには、“Power-By-Victor” 精密再生加工シリンダーとアクセサリーが含まれています。エンジンの加工・組立・テストの各工程作業は、ビクター・アビエーション社の上級モデルである 「ブラック・エディションV」 や 「リミテッド・エディションVI」 エンジンを手掛けるASE認定技術者によって実施されます。
「アビエーター・シリーズと他社のオーバーホールは同じグレードですか?」との質問をよく受けます。工程数は業界の標準的なものとほぼ同じですが、アビエーター・シリーズの場合、
“Power-By-Victor”の上級モデルを手掛ける技術チームがビクター・アビエーション社独自の施設を活用して丁寧に組み上げることにより、高い信頼性を確保できる点が大きな特徴です。

“Power-By-Victor” ブラック・エディションVは、安全性と信頼性を損なうことなく、エンジンの最高性能を追求するパイロット向けのエンジン・オーバーホールです。アビエーター・シリーズと比較して、さらに10項目の部品加工やバランス調整の工程が投入されています。ブラック・エディションVの魅力は、安全性、信頼性、耐久性、快適性の向上と最大の航続時間確保に加えて、航空機の評価額自体を引き上げることにもあります。ブラック・エディションVには、製造メーカーの仕様による部品交換作業に加えて、FAAの認可を受けたビクター・アビエーション社独自の工程が追加投入されており、このオーバーホール・エンジンを搭載した機体の付加価値を高めています。世界市場で中古機相場判断の拠り所とされる「Aircraft Bluebook」の ”Conversions & Modifications” の章には、ブラック・エディションV以上の上級モデルの付加価値算定基準が明確に記載されています。

ビクター・アビエーション社は、このエンジンが、業界における品質と性能基準を向上させ、常に他社の一歩先を行くことを誇りにしています。“Power-By-Victor” ブラック・エディションVの付加価値、ビクター・アビエーション社の高い品質、優れたエンジン性能、国際的なカスタマーサポート体制は、業界他社の追随を許すことのない、世界No.1のサービスです。

“Power By Victor” リミティッド・エディションVIは、ブラック・エディションVの工程にさらにいくつかの特殊な工程を付加した上級モデルです。主に構成部品の徹底的な非破壊検査、部材残留ストレスの除去作業、部品の金属表面強化の工程が付加されます。
非破壊検査は、電気、磁気、超音波、化学薬品等を駆使して行われます。たとえ一般品質基準をクリアしている部品であっても、将来の性能劣化や故障がわずかでも予想されるものは、この時点で良品と交換されます。残留ストレス除去は、金属に温度変化や振動を与えることにより、時間をかけて金属分子の歪を取り除く工程です。金属は、切削、穿孔、研磨等の加工時に様々な外力を受けることにより、分子の格子構造が歪んで内部にストレスを蓄積しています。クライオジェニックや振動ストレス除去の工程により、この残留ストレスを取り除きます。ギアの歯など、金属表面の劣化が大きなトラブルにつながる重要部品に対しては、空気圧投射ピーニングを行って金属表面を強化します。

リミティッド・エディションVIは、アビエーター・シリーズと比較して、17項目の工程が追加されています。これらは、全てFAA認定の工程であり、「リミティッド・エディションVIエンジン処理」として特許を出願中です。このプランにより、エンジンの信頼性、寿命、燃費効率を高め、さらに航空機の評価額を大幅に引き上げることが可能です。

1977年以来、ビクター・アビエーション社の最新技術を駆使したブラック・エディション・エンジンは、世界で最も価値のある航空機エンジンとしての象徴的地位を確立しました。その後も技術開発・蓄積を続けたビクター・アビエーション社は、さらにその上を行く革新的エンジン・パフォーマンスを追求した究極のエンジンである 「XRブラック・エディションVII」 を導入して、業界にさらなる新基準を築きました。より優れた信頼性と性能を持つXRブラック・エディションVIIは、最も過酷で危険な環境状況下のフライトにも対応しうるものです。このエンジンには、アビエーター・シリーズと比較して、実に23項目もの工程が追加されています。

航空機エンジンは、様々なフライトにおいて遭遇する環境や運航状況により、寿命の短縮や性能悪化を起こします。お客様の飛行頻度が少ない場合や氷結条件下にある場合、水気の多い場所や高湿度に置かれている場合、また、高気温または低気温の中でのフライトがある場合であっても、この"Power-By-Victor" XRブラック・エディションVIIエンジンは最良の運航性能を発揮し、最長のエンジン寿命を叶えることを実現します。厳しい環境からエンジンを守るため、極限状況下での運航でも最高性能を発揮できるように、XRブラック・エディションVIIはいくつものユニークな工程を経て組み立てられます。現在、このモデルが、世界最高峰の航空ピストンエンジンと評価されています。

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